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スパッタリングターゲットの種類と用途

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40種類もの元素をターゲットに使用可能

スパッタリングは真空チャンバー内で、金属やセラミックの粒子をプラズマ化したアルゴンイオンで弾き飛ばし、基材に付着・積層することでナノメートルオーダーの薄膜を形成する技術です。最終的にできる薄膜は、原料となるターゲット材にどんな素材を使うかで、機能や品質が大きく変わります。デクセリアルズでは長年の研究開発により、40種類の元素をスパッタリングターゲットの原料候補として使用することが可能となっています。

40種類の元素をスパッタリングターゲットの原料候補として使用可能

以下、当社が扱うターゲット材の組成について、いくつか代表的なものをご紹介します。ブルーレイディスクなどの光記録メディアの薄膜として使われることが多いのが、「タングステンマンガン(WMn)系」「シリコン(Si)系」「酸化チタン(TiOx)系」です。

タングステンマンガン(WMn)系とシリコン(Si)系

当社の主力製品の一つである、ディスプレイなどに用いられる「反射防止フィルム」の表面の反射防止層を形成するために用いられるのが、シリコン(Si)系や酸化ニオブ(NbOx)系、酸化チタン(TiOx)系などのターゲット材になります。それぞれの素材からできた薄膜は光の屈折率が異なることから、最適な組み合わせで積層することで、光の反射防止などの機能を実現します。また、お客さまのスパッタリング工程の生産性向上を目的として、ニオブ系やチタン系の酸素欠損型金属酸化物ターゲットを用意、スパッタリングの成膜速度を高め、短時間で成膜できる材料も商品化しています。

酸化ニオブ(NbOx)系と酸化チタン(TiOx)系

加えて当社では研究・試作検討用として、上記以外のさまざまな原料によるスパッタリングターゲットも開発しています。例えば、酸化マグネシウム(MgO)やフッ化マグネシウム(MgF2)、酸化タングステン(WO)などのターゲットを製造することが技術的には可能となっています。また、お客さまのご要望に応じて、特殊なターゲットのオリジナル組成を共同開発することもよくあります。

フッ化マグネシウム(MgF2)と酸化タングステン(WO)

試作から量産まで スパッタリング技術に関するニーズに対応

デクセリアルズの保有するスパッタリング技術の特長は、ここまででご紹介した多種多様な材料に対応可能なことに加え、「特殊な形状や、作成経験のない材料の相談も可能であること」です。下記の強みを背景に、スパッタリングに関するあらゆるニーズにお応えします。

 対応サイズ

  • 丸型:φ50 mm ~ φ450 mm
  • 矩形:幅 最大300 mm×長さ 最大2200 mm

試作対応

  • 量産を見据えた試作対応
  • 新規材料開発のご相談にも対応

品質保証

  • 出荷前に、超音波探傷装置によりボンディング部の全数検査を実施

新規組成ターゲット開発

  • 光学、物理特性の評価機を保有しており、ターゲットの性能評価が可能

以下の表は、当社が対応可能なスパッタリングターゲットの材料別の一覧です。用途別に4〜6種類の原料を混ぜ合わせ、最適な組成を作り上げます。スパッタリングターゲットにおける材料の組み合わせは合金や酸化物を含めると無数にあります。以下の表以外の材料や、新規の材料開発についてもお問い合わせをお待ちしております。

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