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ウェアラブルデバイスの小型化が変える未来──医療・ヘルスケア・産業用途で進む技術革新

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【免責事項】
本記事の内容は、一般的な技術情報および市場動向の紹介を目的としたものであり、特定の医療行為・治療方法・診断・処方を推奨するものではありません。
記載されている情報は、医療従事者または医療機器関連事業者向けの参考資料として提供しています。一般消費者による医療判断や使用目的での参考はご遠慮ください。
本記事に記載された製品・材料・技術については、必ずしも医療機器として薬機法上の認可を受けているものではありません。実際の使用にあたっては、各国・地域の法規制および承認状況をご確認ください。
また、記事内容は執筆時点の情報に基づいており、将来的に変更される可能性があります。

ウェアラブルデバイス市場の拡大と日常化

日常生活の中で、あなたはいくつのウェアラブルデバイスを使っているでしょうか。1つだけの人もいれば、2つ、3つと併用している人もいます。一方で、装着に抵抗があるなどの理由から、全く使わないという人も一定数存在します。

人間の身体は、デバイスを装着できる部位が限られています。頭、耳、首、腕、足首、腰、足、指などの限られた場所の中で、複数の機能を担うには、機器の小型化が不可欠です。

ウェアラブルデバイスの歴史は長く、これまでにリストバンド型、ブレスレット型、時計型、クリップ型、眼鏡型、ゴーグル型、指輪型など、多様な形状が開発されてきました。

スマートフォンの大型化や多機能化が進む中、「通知や時刻を確認するだけのためにポケットからスマホを取り出すのは不便」と感じるユーザーも増えています。こうした背景もあり、かつて腕時計をやめた人々が、再び腕にデバイスを装着するようになりました。

現在のウェアラブルデバイスは、時間の確認だけでなく、Bluetoothでスマートフォンと連携し通知を確認したり、内蔵センサーによって健康状態を手軽に確認したりできるようになっています。こうした機能の進化により、スマートフォンの補助機器という位置づけから、日常的な健康管理ツールとしての役割が高まりつつあります。

医療・産業分野に広がるウェアラブルデバイスの用途

健康志向の高まりとともに、心拍数や睡眠を測定できるコンシューマ向けウェアラブルデバイスが多く登場しました。この流れは、医療や産業分野を含むより複雑で精度の高いBtoB用途への応用を後押ししています。もともとBtoC領域に注力していたメーカー各社は、医療・ヘルスケア・産業分野における高精度な要件に対応する製品開発へと軸足を移しています。とくに医療・ヘルスケア領域では、スタートアップを含む新規参入企業の動きが活発化しており、現在開発が盛んな分野のひとつとなっています。

この背景には、慢性疾患患者の増加による医師や看護師の人手不足の深刻化と医療コストの上昇があります。これらの社会課題に対し、ウェアラブルデバイスが有効なソリューションになりうると、多くのメーカーが注目しています。

たとえば、連続血糖モニター(CGM)などの遠隔患者モニタリング(RPM)機器は、糖尿病患者の状態を家庭で継続的かつ遠隔でモニタリングし、そのデータをリアルタイムで医師に送信することができます。これにより、診断の遅れによる健康悪化や医療費増加を防ぎ、訪問診療の必要性や医師の労力も軽減されます。

このように、医療・ヘルスケア分野におけるウェアラブルデバイスの主眼は、「単一かつ高度に専門的な指標を、高精度で測定・解析すること」へとシフトしています。

一方で、コンシューマ向けのウェアラブルデバイスは、一般的な健康状態の可視化を目的としており、測定誤差によるリスクは比較的低いとされています。しかし、医療用途ではわずかな誤差がユーザーの健康や治療に重大な影響を及ぼす可能性があるため、センサーの精度、ソフトウェアアルゴリズム、製品設計などに対してより厳格な品質管理が求められます。

さらに、リハビリや術後ケアといった医師の関与が必要な領域や、規制認可を要する用途でもウェアラブルデバイスの導入が期待されています。これらは単なる計測機器ではなく、臨床サポートツールとしての信頼性と安全性が求められるフェーズに入っていると言えます。

デクセリアルズが支えるウェアラブル技術の進化

急速に進化するウェアラブルデバイス市場に対して、デクセリアルズは独自の材料・部材技術を通じて、さまざまな角度から貢献しています。応用領域は、コンシューマ向けのスポーツ・ヘルスケア用途から、BtoBの産業・医療用途まで広がっています。

―ACFによる接続部の微細化・薄型化

異方性導電膜(ACF)は、ウェアラブルデバイスに搭載されるディスプレイやタッチパネルの中で、ドライバICやFPCをガラスやPI基板と接続する部材として広く使用されています。これにより、高精細で薄型の表示部品の実現に貢献しています。

また、機械式コネクタやはんだ接合の代替手段としても注目されており、200μm以下のファインピッチ接続を可能にすることで、接続部の面積や高さを大幅に低減できます。今後さらに小型・薄型化が進むウェアラブルデバイスにとって、ACFの活用機会は増していくと考えられます。

―SVRによる表示性能の向上

デクセリアルズの光学弾性樹脂(SVR)は、ディスプレイとカバーガラスの貼り合わせに使用されており、周囲光下でも反射を抑えて視認性を向上させる役割を果たしています。屋外で使用されるスマートウォッチやヘルスバンドなどの視認性確保において、有効なソリューションです。

―光半導体による高精度センシング支援

将来的には、デクセリアルズ株式会社の連結子会社であるデクセリアルズ フォトニクス ソリューションズ社が提供するフォトダイオード(光センサー)が、医療・ヘルスケア向けのセンサーモジュールに活用される可能性があります。これらの用途では測定精度の高さが要求されるため、同社の高品質な光半導体製品がセンサー全体の信頼性を支える重要な要素となります。詳しくは以下の記事を参照ください。
生体センシングへの応用が進む光センサの技術動向

さらに、デクセリアルズグループはこれまでに培ってきた材料技術・プロセス技術を活かし、センサーモジュール全体の高付加価値化に向けた提案も進めていきます。

今後の展望:デバイスの“装着”から“社会インフラ”への進化へ

ウェアラブルデバイスは、スマートフォンの補完機能を超えて、医療・福祉・産業における現場課題を解決する社会インフラ的な存在へと進化しようとしています。

デクセリアルズは、ディスプレイ・センサー・接続部材といった中核技術を通じて、これらの革新を支え、今後も市場の進化と社会課題の解決に貢献していきます。

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