• 接合関連

「粘着」の基礎知識——粘着テープの技術から学ぶ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「ネジ」に代わって用いられる「粘着テープ」

長らく部品を固定するのに用いられてきたネジ。それが今、スマートフォンやタブレットPC、ノートPCなどのハイテク機器の生産現場では、姿を消しつつあります。ネジに代わって用いられる機会が急激に増えているのが、デクセリアルズをはじめとする化学メーカーが作る粘着テープです。

そもそも部品の固定のために、ネジが用いられる理由は何でしょうか?それはネジであれば「固定したあとでも、必要があれば部品を壊すことなく分解することができ、再び固定することができる」からです。これを生産現場では「リワーク性」と呼びますが、粘着剤・粘着テープの機能が向上したことにより、リワーク性が求められる場所でも粘着テープが採用されています 。

例えば皆さんがお持ちのスマートフォンにも、多くの部品の固定に粘着テープが使用されています。ディスプレイやタッチパネルに用いられる粘着テープには、筐体に固定するという目的の他にも、防水や耐衝撃、導電、遮光などの機能が付与されています。

「点」で固定するネジに対して、粘着テープは連続した形状に切り出すことにより、「面」で部品を安定して固定することができます。そのため、ネジよりも固定強度を上げることができ、ネジの場合には機器使用にともなって発生する、緩みやガタつきを抑制できるのです。またネジを用いる場合には、ネジ穴を開ける工程が必要となり、ネジの全長を収めるため、筐体に「厚み」が必要となります。それに対して、粘着テープは厚みや形を自由に変えることができ、10ミクロン以下から数百ミクロンの厚さまで幅広く対応が可能です。薄型・小型化が進むデジタル機器の部品固定では、ネジよりも粘着テープを使用するほうがはるかにメリットが大きいのです。

デクセリアルズが創業から取り組んできた粘着テープ

デクセリアルズの機能性テープの開発と生産には、古い歴史があります。1962年に当社の前身であるソニーケミカル株式会社が、トランジスタラジオに用いられる回路用の銅箔製品および工業用接着剤の製造・販売会社として設立されました。

翌1963年、新しい事業の柱として始まったのが、工業用・一般家庭用の液状接着剤の生産販売です。電気製品の電子部品固定のための接着剤の開発が、ここから本格的に始まります。

1965年には、培った接着技術を生かして、両面粘着テープの生産を開始します。家庭用、工業用「タックマスター」シリーズを展開し、68年に市場投入した「#1477J」はとくに高く評価され、のちに「T4000シリーズ」へと発展して高性能両面粘着テープのスタンダードとして地位を確立します。1973年には、電子機器の小型・軽量化に貢献するフレキシブルプリント基板(FPC)「ソニーフレックス」の生産を始め、2年後にはその接着に用いる両面粘着テープ「T4100シリーズ」を販売開始しました。

1970年代半ばからは、家庭用オーディオ機器、テレビ、ビデオ機器の普及が進み、磁気ヘッドやフェライトコアなどの電子デバイスをソニー製品に供給していきます。この時期に蓄積された、高精細な加工・組み立て技術、薄膜技術が、現在のサブミクロンの高精度が求められる電子デバイス製品の製造技術に受け継がれています。

そして1977年、デジタルカメラや携帯電話の液晶パネル、テレビ・モニターの液晶ディスプレイの普及に伴い、その進化に欠かせない存在となっている電気的な接続機能をもつ異方性導電膜(ACF)を業界に先駆けて製品化します。

時代が下り1998年には、有機溶剤を使わない紫外線硬化型製法のハロゲンフリー両面粘着テープ「G9000」を製品化するなど、環境負荷低減への取り組みも業界のなかでいち早く進めてきました。

これらデクセリアルズの技術の源泉となっているのが、接着剤・粘着テープ事業で培われた「(素材を)混ぜて、(適切に)塗って、(必要な形状に)切る」技術です。電子デバイスが長期にわたって劣化や故障することなく、安定して機能し続けるためには、ミクロン単位の高い精度で各部品を固定することが必須となります。

それと同時に、ますます進むデバイスの小型化・薄型化に対応するためにも、粘着・接着テープのさらなる機能向上が求められています。デクセリアルズはこれからも、「混ぜて、塗って、切る」技術を研鑽し続け、市場に必要とされる製品を生み出していきます。

お役立ち資料のダウンロードはこちら